日本は長期投資向きではない。日本には少子化という深刻な問題があり、それを解消する手立てがまだ打たれていないからだ。また、日本の財政赤字は悪化し続けている。人口の減少と財政赤字の増加は、日本の将来を懸念させるものだ。もし私が日本の若者だったら、強い怒りと不安でいっぱいになることだろう。今の若い人たちが今後10年あるいは20年にわたって、負債を返済していくことになるのだ。若者でなくて、いったい誰が借金を返済できるというのだ。かつては歴史上偉大であった国々が衰退していったのと同じように、日本も劇的に衰退して行くのだろうか。
（p104）

人生と投資、私は人生は投資の様なものだと思います。
良く知りもしない投資対象にお金を賭けることは、自分の考えもなく周囲の意見に流されて生きているようなもの。
そういった意味でも是非、我が子にも読んでほしいと思う本でした。

本の評価は★４つとしました。

素敵な本をありがとうございました。

●この本を読んで私が実行しようと思うこと！

「他者に流されずに、自分の頭で考える」
これを肝に銘じたいと思います。

●この本で私が”グッ”と共感したところは次のとおりです。

大事なことを忘れてはいけない。君には、君自身を助ける判断力が生まれながらにして備わっていて、君が歩んでいるのは誰か他の人の人生ではなくて君自身の人生だということだ。
（p8）

私は中国に投資をしている。私は中国に価値があると「思っている」のではなくて、中国に価値があることを「知っている」のだ。
I thinkではなくて、I knowなのだ。
（p23）

それが人気があるからというだけで、「見るべきだ」「やってみるべきだ」「読むべきだ」と言われるものはすべて退けるべきだ。人口の半分の人たちの知性は平均以下だということを覚えておきなさい。
（p36）

「誰もが自分でしか考えられない」という言葉を君に贈ろう。これは有名な哲学者の言葉などではなく、私が経験から得たものだ。私は君の父親だが、それでも君がどのような人生を描くか、君の代わりに考えてあげることはできない。どんな人生を歩むか、未来をどうとらえていくか、君自身で一所懸命に考えてほしい。
（p62）

たとえば、ナイフは凶器になる。けれども、それ自体は文明の利器であって、もともと凶器なのではない。利用するものが凶器か利器かを決めるんだ。運転がうまくないのに超高速で車を飛ばす――そういう人自体が凶器なのだ。
自分自身を知ることだ。
（p88）

君はどうか群集心理にかられることなく、事実関係をしっかり調べて、冷静に状況を判断してほしい。そのためには、群れから離れるべきときを知り、一人で考えることだ。
（p90）

どんな展望であれ、変化を受け入れられないとすれば、すごい勢いで流れる濁流に逆らうようなものだ。少しの間くらいならそれも可能だろうが、すぐに力尽きてしまうものだ。
（p98）

何かで成功したかったら、これから主流となる流れに乗らなければならない。決して滅びゆこうとしているものにしがみついていてはいけない。・・・
これから何百年後まで生き残っている言語は、英語、中国語、スペイン語くらいだろう。もし、何かで成功したいのならば、滅びゆくものに賭けてはならない。それに多くの時間や情熱、お金を費やしても、滅んでしまえばそれまでなのだ。
だから、君には英語と中国語を学んでほしいんだよ。
（p115）

君が君の夢を実現すること。それはまた、私の夢でもある。私は父親として君が幸せで満たされた人生を歩むことを望む。君が、君自身が情熱をもったものを追いかけ続けることを望む。他の誰かの夢、君の父の夢でもなく、君自身の夢を追うことが最高の生き方だ。多くの人たちは他の人々のために生きようとする。子どものため、配偶者のため、はたまた隣人や友人のため。私は君にそのような生き方を望まない。私は君を愛しているから、君は君らしく生きてほしいし、そして、一所懸命に生きる君を、私はより愛しいと思うだろう。
（p136）

●この本の目次をご紹介！

1 他者に流されてはいけない
2 大好きなことにすべての情熱を注ぎなさい
3 常識はそれほど常識ではない
4 世界を自分で見ておいで
5 哲学を、つまり「考える」ということを学びなさい
6 中国の時代中国語を身につけてほしい
7 歴史を勉強しなさい
8 汝自らを知ること
9 変化をとらえ、そして受け入れなさい
10 未来を見つめなさい
11 大衆に逆らいなさい
12 幸運の女神は努力を続けたものに微笑む

■　本日の一冊紹介　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

人生と投資で成功するために娘に贈る12の言葉

posted with ヨメレバ

ジムロジャーズ日本経済新聞出版社 2007-04-28

「人生と投資で成功するために娘に贈る12の言葉」
ジムロジャーズ、日本経済新聞出版社
【私の評価】★★★★☆

《著者紹介》
1942年生まれ。
イェール大学卒業後、オックスフォード大学ベリオル・カレッジ修了。
米陸軍に従事した後、ウォール街で働く。
国際投資会社クォンタム・ファンドを共同で設立。
10年間で4000%を超える驚異的なリターンを実現(同期間のS&P500は50%)。
37歳で引退し、世界を旅して回る傍ら、コロンビア大学で教鞭をとる。
1998年8月に商品先物市場の指数であるロジャーズ国際コモディティ指数を創設。
ニューヨーク在住

■　関連書籍　■

a. 「金持ち父さんの新提言お金がお金を生むしくみの作り方」
　ロバート・キヨサキ
　【私の評価】★★★☆☆

b. 「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」
　G.キングスレイウォード
　【私の評価】★★★★☆

c. 「そうか、君は課長になったのか。」
　佐々木常夫
　【私の評価】★★★★★

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＜本の格付け基準＞
　★★★★★（絶対お薦めです！家宝となるでしょう）
　★★★★☆（買いましょう。素晴らしい本です）
　★★★☆☆（社会人として読むべき一冊です）
　★★☆☆☆（時間とお金に余裕があればぜひ）
　★☆☆☆☆（人によっては価値を見い出すかも）
　☆☆☆☆☆（こういうお勧めできない本は掲載しません）
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